「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」感想

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ちょっと前、たまたま書店をブラブラしていた時にこの本を見つけました。そして、タイトルが刺さりました。確かに、働くようになってから全然本が読めなくなっている気がします。

働くようになって本が読めなくなった

学生の頃から、私は本を読むのが好きでした。通学に時間がかかるというのもあって、カバンの中には必ず本が一冊入っていました。それを読みながら学校に通うのが日課だったんです。ジャンルはほぼミステリ一択でしたけどね。読む物がないときは「ダ・ヴィンチ」とかを読んで、読みたい本を探してみたりしました。でも大学を出て、仕事をするようになってから、本を読む時間も余裕もめっきりなくなり、最近ではたまにしか本を手に取ることができていません。今は通勤がないので、通勤時間に本を読むみたいな習慣もなくなってしまいました。

かといって、時間が全くない訳じゃないんですよね。夜になったらテレビ見たりしてますし、休日もちゃんとある。でも、本を読もうとはしない。何でなんだろう。そんな疑問に答えてくれるのかな?と思って気になっています。目次を見た限りでは、労働史っぽい感じなんですよね。「仕事と読書の関係」みたいなところから、働くと本が読めない理由を探っていくという感じのようです。いわゆる読書術的な「どうやったら働いてても本が読めるのか」とは少し違った切り口なのが面白そうだなと思っています。

実際に読んでみた

(2024年12月4日追記) 最初にこの本が気になると思ったのは10月でしたが、2ヶ月経ってやっと読むことができました。読んでみたところ、正直言ってうーん…って感じでした。なんか、思っていたのと違う。

最初に思ったとおり、この本のメインは「本と労働の関係」が大部分を占めます。明治時代の読書はこうだった、ベストセラーは…的な話から始まり、現代に至るまでの労働と読書の関係が書かれています。でも、それが働くようになると本が読めなくなるのかに繋がっていくのかが今ひとつ分かりません。タイトルにもある働くようになると本が読めなくなることについて書かれているのは本当に最後の方に少しだけ。逸れも、要するに「忙しいから疲れちゃってて、手っ取り早く情報を得る手段しか使わない」みたいな感じの内容です。

そして、「半身で働く」ことを提案していますが、じゃあ具体的にどうすればいいかは明言されず。なんか結論を放り出されたまま本が終わったように感じました。そして、働きながら読書するコツについても、「書店に寄ろう」とかもうそれやってるわ的なコツが並んで終わるという感じ。

働くと本が読めなくなるって言う点には確かに共感を覚えますし、「労働は労働以外の時間を犠牲にして成り立っている」っていう著者の言葉は、全くその通りよなと思います。でも、何か求めていたものとは違いました。読書と労働の歴史より、なぜ今本が読めないのか、読めるようにするにはどうすればいいのかってコトが知りたかったんですよね。でもその部分が「忙しくて余力ないから」的な感じになってしまっているので、もう少し掘り下げて欲しかったなと。あと、ネットの情報を「ノイズがない」としていますが、いやそれはどうかなぁ。ネットの情報だってノイズありまくりだと思うけど。ということで共感できませんでした。

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