最後の最後に一番の衝撃!「魔眼の匣の殺人」感想

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魔眼の匣の殺人 (創元推理文庫)

魔眼の匣の殺人 (創元推理文庫)

以前読んだ「屍人荘の殺人 〈屍人荘の殺人〉シリーズ (創元推理文庫)」の続編です。チマチマ読んでいたんですが、やっと読み終わりました。極力ネタバレにならないように感想などを書いていこうと思います。

あらすじ

前作で登場した斑目機関という謎の組織を追って、主人公の葉村と探偵の剣崎がとある県の元研究施設である「魔眼の匣」へ調査に向かいます。そこには予言者の老婆がいて、羽村達含む来訪者に「あと二日で男女4人が死ぬ」と予言します。逃げようにも施設のすぐ側にある橋が焼け落ちて逃げられなくなり、羽村達は閉じ込められてしまいます。逃げられぬまま予言どおり1人が死に、来訪者の1人である女子高生がその光景を予知していた…。というような感じのお話です。

感想

今作も前作も、いわゆるクローズドサークルで事件が起きます。でも今作は前作と違ってクローズドサークルになる原因が一応現実的かなと。前作は、面白いけど突拍子もない話だなと思ったのですが、まぁ唯一の橋が落ちたみたいな感じなのは納得できるかな。登場人物は、こういうミステリの典型的な登場人物って感じがしますね。頑固そうな父親と聞き分けの子供、派手な格好の女性、場を取りなすのがうまいイケメン、性格の悪い雑誌記者。何というか、ミステリに必要な感じの人が全部揃ってる感があります。

犯行の理由は「え、そんな理由で事件起こす?」って一瞬思ったんですけど、一応犯人が事件を起こすにいたる動機はまぁ分からないでもないのかなっていうところですかね。トリックの部分も結構予想外だったし。それで事件が解決してめでたしめでたし、って思ったらそこからさらに大きな種明かしがあったことに驚きました。

それは全然予想もしていなかった真実なんですが、巧みな叙述トリックで全然分からないように巧妙に隠されていました。その隠された事実の部分っていうのが何とも切ない気分になる事実なんですね。正直事件自体の謎よりも、この最後の種明かし部分の方が読んでて「やられたー!」って思った部分です。

続編も出ているようなので、そっちも読んでみようと思います。なんかまたとんでもない仕掛けをしてそうな感じなので、面白そうだな。

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