先日、「家事ヤロウ!!!」を見て土井善晴さんの塩むすびを作ってみたりなどしていたところ、母が急にこの本を貸してくれました。
そう言えば前に母がそんなこと言ってたな…。その時は、「ふーん」って感じでしたけど読んでみることにしました。
どんな本?
タイトルにあるように、「別に普段の食事はそこまで手をかけずにご飯と具だくさんのお味噌汁(と漬物)でいいんじゃない?」っていう提案です。一切こうしなさいとか、健康のためにはとか、そういうことではありません。日々自分の身体を作る家での食事に手間をかけなければいけないというプレッシャーを感じることなく、当たり前の料理以外の手間をかけず、持続可能な食事をしよう。そのための「一汁一菜」ですよという感じの内容。また、実際に土井さんがどんな風に一汁一菜を実践しているのかや、日本人の心や、和食についても書かれています。
感想
一汁一菜の考え方が、日々の炊事に対するプレッシャーを下げてくれるように感じました。余計なことを全部そぎ落として、淡々と日々続けていく仕事のように感じます。実際に書かれているお味噌汁の作り方も、本当に良い意味で「適当」って感じ。材料を切って煮て味噌入れる。そんだけ。材料に決まりもないし、味噌も好きなものでいい。出汁をいれてもいれなくてもいい。何なら美味しくなくてもそれはそれでいい。いいの!?とは思いますが、こういう料理の凄い方にそう言われると、本当に楽になりますね。何だかんだ、日本人ってお味噌汁あれば良いや的なのがありますしね。色々な具を入れてもおかしくないし、飲むと何だかほっとする。毎日出てきても飽きない。凄い食べ物だなと思います。今で言う「映え」的な物はあんまりないかもしれないけど、そんなもんでいいんですよね。映えで腹は膨れませんし。かといって、別にずっと味噌汁だけ食べてろと言わないところもいい。おかずがあっても構わないし(ただ味噌汁の具は減らす)、洋食に味噌汁を合わせてもいい。あくまで「一汁一菜」を基本にすると楽ですよ的なところが、私みたいな超ずぼらにもマネしやすくていいなと感じます。
和食って、見た目も綺麗で調理も凝っているし、堅苦しいものと思いましたけど、こういう昔っから食べてきたものも「和食」なんだよなと改めて気付かされました。最近はインスタだとかXだとかの影響で、見た目が派手で味も濃いもの、流行っているものに目が行きがちですが、実はそんなのばかりだと疲れてしまっているんじゃないかなと思わされました。そういうのもたまにはいいですが、基本は家でこういうシンプルなものをいただく。心の中が満たされるような、そんな食事を取りたいと思わせてくれる一冊でした。